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虚血性腸炎を予防するのに今マグネシウムが注目されている?

【はじめに】

虚血性腸炎は、便秘などによって腸管内圧が高まり、血流が落ちて大腸が虚血状態に陥ることで、腸の粘膜に炎症や潰瘍性病変が生じる病気です。

一般的には、便秘症に動脈硬化など年齢的要素が加わる傾向が強い高齢者、あるいは高血圧、糖尿病、腎臓病、動脈硬化、脳血管障害、心不全などの慢性的な病気を有している場合に虚血性腸炎を発症しやすいと考えられています。

便秘や排便後に腸壁が強度に収縮することで血流障害が起こり、虚血状態になることもあるため、中には若年者で発症する場合もあります。

そして、これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて虚血性腸炎の発症などに関与していることが判明しつつあります。

従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。

そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。

今回は、虚血性腸炎にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。

【第1章】虚血性腸炎とは?

虚血性腸炎は、大腸の一過性の虚血で引き起こされる腸炎であり、8割以上の患者が高齢者で大半の患者は自然軽快する一過性型と言われています1)。

強い便秘でいきんだ後の発症が多く、腸管内圧亢進や蠕動亢進による粘膜内血流低下が誘因の1つと考えられています。

慢性的な便秘は、便が同じ場所に長くとどまってしまうことで、腸管壁が持続的な圧迫によって引き伸ばされた状態となるので、血管を圧排し虚血状態になりやすく、虚血性腸炎を引き起こすリスクが高いと言えます。

便秘以外にも、日々のストレスや脂質の多い食事や暴飲暴食など食生活の乱れが原因となって発症する虚血性腸炎も増加傾向にあります。

また、動脈硬化によって、大腸粘膜への血流の低下や血液不足を引き起こしますので、もともと高血圧や糖尿病など動脈硬化が関連する疾患を有している方や慢性的に運動不足の人は虚血性腸炎を発症しないように生活スタイルの改善が必要となります。

虚血性腸炎の3大症状は、主に腹痛(左側腹部~下腹部)、下痢、血便とも言われていて、左下腹部痛にくわえて、大腸の粘膜が虚血性変化に伴って損傷を受けたことで、粘膜が腸管壁からはがれ落ちて血便(鮮血が混じった下痢)が合併することもあります。

特に、臨床的に腹痛部位が変化した場合や持続性腹痛へと病状が進展していく場合には、壊疽型の虚血性腸炎、あるいは腹膜炎への状態悪化を考慮する必要があります。

【第2章】虚血性腸炎にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

虚血性腸炎のなかでも、一時的に大腸粘膜が虚血になるものの、その後回復する一過性型の場合は、腸を安静にして休ませることが重要なポイントとなりますので、絶食と安静による保存的療法で症状改善を目指します。

治療中は、主に絶食下では脱水を防ぐための補液点滴が投与されて、全身の状態をみながら、少しずつ水分や食事を摂取することで、発症してから1~2週間程度の治療期間で腹部の状態が安定していくと考えられます。

もし、大腸粘膜部の炎症が強く懸念される場合は、抗生物質の点滴投与も検討、また狭窄型を疑う場合は内視鏡検査によるフォローアップが必要となることもありますし、壊疽型を疑う場合には緊急手術の適応を考慮します。

専門医療機関での治療が終了した後は、徐々に腸に負担をかけない食事を開始していくことを意識して、できるだけ消化に良い食品を摂取するように努めましょう。

虚血性大腸炎の治療では、これらの保存的治療と同時に虚血の要因となっている病気の根本的な改善、あるいは動脈硬化の原因となっている病気の再発防止が必要不可欠であり、生活習慣の見直しを行うことが重要です。

そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。

人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。

マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。

マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態から虚血性腸炎の罹患リスクが上昇すると考えられます。

通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。

一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。

生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。

また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じずに適量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。

こうした観点から、虚血性腸炎に罹患しないためにも普段から最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。

【まとめ(おわりに)】

虚血性腸炎は、何らかの原因で突然、または一過性の血流障害が起きることで大腸に炎症が生じて、主に血便や腹痛などの症状が認められる病気です。

一般的には、虚血性腸炎は慢性的に便秘になりがちな60歳以上の高齢女性などでよくみられる疾患ですが、普段から食生活が悪く運動習慣を持たない若年者にも増加しています。

虚血性腸炎の発症を予防するために、便秘が原因となることも多いため、食習慣の見直しや緩下剤などを使用して便秘状態を改善する必要がありますし、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化関連疾患を持つ場合には、これらの治療を継続して行うことが重要です。

そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。

マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要です。

今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって虚血性腸炎を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

【引用文献】

1)穂苅 量太:高齢者の虚血性大腸炎の特徴と治療. 日本老年医学会雑誌. 2020 年 57 巻 4 号 p. 431-435

DOI https://doi.org/10.3143/geriatrics.57.431

2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.

DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。