【はじめに】
粉瘤は、垢成分や皮膚の皮脂成分などを始めとする老廃物が皮膚に溜まって形成される良性腫瘍であり、皮膚腫瘍の中で最も高頻度にみられると言われています1)。
そして、これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて粉瘤を含む腫瘍性疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、粉瘤にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】粉瘤とは?
粉瘤というのは、本来であれば自然と剥脱する皮膚の垢成分である角質や皮脂が、耳たぶの皮膚の下部にある袋状の内部に貯留して形成された出来物です。
基本的には、耳たぶの皮膚に袋状の構造物が形成されて、その袋の内部に脱落した皮膚の角質や皮脂が貯留して徐々に拡大した病変を指しており、細菌が侵入して患部が化膿すると赤く腫れあがって、痛み症状を伴うこともあります。
粉瘤は、疲労、ストレス、睡眠不足、偏った食生活など生活習慣の乱れなどが原因となって毛穴の一部である表皮が内側にめくれて袋状の病変ができ、基本的には有意な痛み症状が乏しいことから放置する場合も多いですが、自然に治癒することはほとんどありません。
基本的な治療は、手術による腫瘍の切除であり、手術処置によって形成されている腫瘤を取り除くことが重要であり、症状を放置したままで自然に治癒することはほぼ無いため、腫瘤が小さい段階で耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診することが肝要です。
【第2章】粉瘤にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
粉瘤を根治的に治癒するためには、患部の摘出処置など何らかの治療が必要ですので、心配であれば速やかに皮膚科を受診して、専門医に相談することが重要なポイントとなります。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態から粉瘤を含む腫瘍性疾患の罹患リスクが上昇すると考えられます。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じずに適量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、粉瘤にならないためにも普段から最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
粉瘤は、脂肪の塊ではなく、皮膚の内側に袋状の構造物ができて、本来であれば皮膚から剥げ落ちるはずの垢成分や皮脂が、袋の中にたまってできた腫瘍の総称を意味しています。
本当に脂肪細胞が増殖してできた良性腫瘍の脂肪腫とは全く異なるものであり、粉瘤は皮膚科領域で最も診察する機会の多い良性の腫瘍ですが、稀に炎症を起こして腫れることがありますし、似て非なる腫瘍もたくさんありますので一定の注意が必要です。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要です。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって粉瘤を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1) 久米 麻里子:仙骨部粉瘤から生じた有棘細胞癌. Skin Cancer. 2004 年 19 巻 1 号 p. 112-115
DOI https://doi.org/10.5227/skincancer.19.112
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。