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マグネシウムクリームと糖尿病

【はじめに】

現在のところ、人間には17種類のミネラルが必須元素であると考えられています。

そして、人体内で数えて7番目に多いミネラルであるマグネシウム(元素記号:Mg)については、生体内におけるすべてのエネルギー活動の場で重要な役割を持っています1)。

近年では、日常生活において意識して積極的にマグネシウムを摂取している方は少ないと推測されており、この重要なミネラルであるマグネシウムの摂取量がだんだんと減少することによって様々な病気が現れやすいことが指摘されています。

マグネシウムが不足している時の症状として注意したいのが、生活習慣病であり、その中でも特に糖尿病が挙げられます。

甘いものを食べなければ糖尿病にならないということは間違った認識であり、実際にはマグネシウムの摂取不足が原因でも糖尿病という疾患は引き起こされます。

今回は、高齢者をはじめ多くの中年層の人々も悩みとして苦労している糖尿病という病気とマグネシウムとの関連、そして糖尿病に対するマグネシウムクリームの予防改善効果などをご説明していきます。

【第1章】糖尿病とマグネシウムとの関係とは?

一般的にマグネシウムは主に体内の組織細胞で機能しており、アデノシン三リン酸(以下、ATP)と結合して身体の活力を生むエネルギーの源を作成しています。

Mgは重要なエネルギー栄養素であり、食物の消化や吸収作用に寄与し、タンパク質や脂肪、そして炭水化物の利用を制御する酵素を活性化させる働きを担っています。

マグネシウムは日々の生活において例えば飲酒時などにも消費されますし、食事から得られる糖質成分をエネルギーとして燃焼させるときにも大量に使用されます。

そうして必要なエネルギー栄養素であるマグネシウムが生体内で不足すると、食品の体内利用に異常反応をきたし、結果として低血糖症や肥満に関連する様々な症状を襲来させることに繋がります。

通常では、細胞内ではブドウ糖が身体のためのエネルギー生成に関与しており、インスリンというホルモン分泌物がブドウ糖を細胞内に招き入れるのに必要な化学反応を起こす際にもマグネシウムが必要と言われています。

基礎代謝学の観点からみると、インスリンがインスリン受容体に結合する親和性を高め、インスリン受容体にあるチロシナーゼという酵素をマグネシウムが活性化します。

すると、インスリン受容体の自己リン酸化反応が起こり、インスリンシグナルがGLUT4に伝達されGLUT4が膜面に移動するポイントで細胞内に存在するマグネシウムが補助的な役割を担っています。

つまり、マグネシウムが不足するということはこれらの働きが正常ルートで行われず、ブドウ糖を細胞内に取り込めずにせっかく分泌したインスリンの作用が減弱してしまい、その結果としてインスリン抵抗性を発現してしまい糖尿病罹患に繋がることになります。

さらには、ブドウ糖の分解にはグルコキナーゼをはじめとして色々な生体酵素が必要であるとされていますが、マグネシウム不足でそれらの分解ができなくなってしまいます。

その結果、ATPの産生がスムーズにいかずに細胞内のATP濃度が上がらないためにカリウムやカルシウムの受容体チャンネルが閉じずに最終的にはインスリン分泌が行われないということになります。

ですから、これらの生理的な代謝工程を適切に遂行するための生体内のマグネシウムが不足していると、インスリンとブドウ糖の量がともに増大し、そうしてインスリンが過剰に分泌されると糖尿病に移行するという流れを辿ります。

だからこそ、糖尿病症状を体の内面から根治的に予防したり改善させるためには、まず優先すべきは「マグネシウム不足」を解消することとも言えるのです。

【第2章】糖尿病を予防して改善できるマグネシウムクリームの効果を教えます!

過去の前向きコホート研究のメタアナリシスの調査結果によると、1日あたりの総マグネシウム摂取量が100㎎増加すると、糖尿病に罹患するリスクが統計学的に有意に15%程度低下することが判明したと言います2)。

マグネシウムは食品の中でも、アーモンドやほうれん草、豆乳、ピーナツバターに加えて、卵や牛乳などの乳製品にも含まれています。

マグネシウム不足を解消するためには、1日でおよそ300mg位の摂取が到達目標になりますが、前述した食品だけで全て賄うとなるとかなり大変ですよね。

特に度重なる飲酒を含む不規則な生活習慣を顕著に認める場合であれば、深刻なマグネシウム不足が強く疑われることになります。

人間がマグネシウムを取り入れるもっとも自然な形は食べ物からだと思いますが、近年ではマグネシウムが実は皮膚からも吸収されやすいという特性があるということが分かってきました。

諸外国では既に有名女優やプロスポーツ選手などが日常的にマグネシウムクリームを愛用して直接肌に塗布して糖尿病予防のみならずあらゆる症状の改善に貢献している事例が報告されています。

もちろんマグネシウムの摂取は市販のサプリメントでもある程度は期待できますが、マグネシウムクリームは効率よく簡便に皮膚につけることが出来る新しいタイプの糖尿病に対する解決策になり得る代物です。

基本的には、クリームを塗布する時間帯などは厳しく規定されておらず、おおむね就寝する1時間くらい前にマグネシウムクリームを使用すると決めておけば、習慣性が付きやすく、糖尿病を予防する効果に繋がる可能性が高くなります。

経皮からの吸収による使用効果および即効性は高いと言われていますので、1日でも早く糖尿病の症状を改善させたいという人はぜひマグネシウムクリームを用いてみてくださいね。

【まとめ(おわりに)】

マグネシウムはカルシウムの影に隠れてその重要性の認識があまり表面上に出てこない主要ミネラルと言えます。

ところが、実際には現代を生きる人々においては慢性的にマグネシウム不足している現実があり、その現実が生活習慣病の中でも特に糖尿病という疾患を発症する大きなリスク因子になっていることが解明されつつあります。

もちろんマグネシウムだけを摂取すれば良いという単純なものではなく、3大栄養素のほかに各種のビタミンやミネラルを取り入れることも重要な要素です。

しかし、こと糖尿病に関してはMgの尿中排泄が通常よりも多くなるために食品以外からの補充も必要になる可能性が高くなります。

ですから、普段からMgを意識して経口的のみならず経皮的にもあわせて摂取することによって、糖尿病を中心として多種多様な疾患の予防と治療に結びつき、長い目で見れば人生100年時代において充実した健康長寿につながるものと期待できます。

過去の数々の調査から、マグネシウム含有型保湿クリームは糖尿病に対して予防効果があることを教えてくれていますし、ひいては日々の食生活にも良好な影響を果たすものと考えられています。

糖尿病を持病として抱えている人にとっては、病気と上手に付き合うための選択肢として、食事やサプリメント以外にも経皮的吸収できるマグネシウムクリームを使用することによって症状を軽快させて、快適な生活を実践しましょう。

また、糖尿病を予防したいと強く希望している方は、マグネシウム入りのボディークリームやマグネシウム含有エプソムソルト入りのお風呂なども是非試してみてくださいね。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)藏前尚子:2型糖尿病におけるマグネシウムの役割. JICD, 2015, Vol. 46, No. 1.p56-61.

DOI https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol46/17-vol46.pdf

2)Larsson SCWolk AMagnesium intake and risk of type 2 diabetesa meta-analysisJ Intern Med262208-2142007PubMed abstract.

DOI https://doi.org/10.1111/j.1365-2796.2007.01840.x

著者について

■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。