「マグネシウム摂取量増加は、中年アメリカ人のグルコースおよびインスリン代謝不全を改善し、糖尿病リスクを低下させる」研究論文
Diabetes Journal -2014年2月
To assess 7-year associations between magnesium intake and i…
研究概要
アメリカにおいて2,582人の空腹時および食事摂取後のグルコースとインスリン、インスリン抵抗性(IR)、インスリン感受性を7年間定期的に計測し、糖尿病リスクとマグネシウム摂取の関係性を分析評価した研究。
背景
糖尿病予備軍を含めると糖尿病を患っているアメリカ人は、2010年時点において成人の45%にまで達している。
糖尿病は、心臓病と脳卒中の罹患率と死亡率のリスクを大幅に高め、失明や腎不全の主な原因にもなっている。間接的および直接的な医療費のうち約2,450億ドルは、毎年糖尿病に起因しており、その発症リスクを軽減することが大きな課題である。
マグネシウム摂取量が多いほど糖尿病の発生率が低下する可能性があることが様々な研究で分かってきているが、実際に今までの研究結果データをメタ分析することにより、マグネシウム摂取と2型糖尿病のリスクとの関連を調べることを目的としている。
実験内容
アメリカで26~81歳の2,582人の参加者において、空腹時および食事摂取後のグルコースとインスリン、インスリン抵抗性(IR)、インスリン感受性を7年間定期的に計測し、マグネシウム摂取との関連性を分析。
結果
マグネシウム摂取量が低い人と比較して、摂取量が多い人は、代謝障害のリスクが37%低く、糖尿病の発症リスクを32%低下させることが分かった。最もマグネシウム摂取量が多い人においては、発症リスクは47%低下。
マグネシウム摂取の増加は、特に糖尿病リスクが高い人に対して、発症リスクを大きく減少させる可能性があることが分かった。
「マグネシウム摂取と2型糖尿病のリスク」研究論文Diabetes Journal -2011年9月[blogcard url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3161[…]
著者について
早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。