「マグネシウム摂取と2型糖尿病のリスク」研究論文
Diabetes Journal -2011年9月
Emerging epidemiological evidence suggests that higher magne…
研究概要
アメリカ・ノースカロライナ大学医学部疫学部、中国・蘇州大学栄養食品衛生学科の研究医たちにより、2011年1月までのPubMedデータベース内から、マグネシウム摂取と2型糖尿病のリスクに関するデータを抽出しメタ分析。
背景
糖尿病は全世界でかなり多くの人に影響を与えており、2008年時点において中国では20歳以上の成人9,240万人(成人人口の9.7%)が糖尿病を患っている。糖尿病リスクを減らすことが、社会において大きな課題となっている。
These results indicate that diabetes has become a major publ…
マグネシウム摂取量が多いほど糖尿病の発生率が低下する可能性があることが様々な研究で分かってきているが、実際に今までの研究結果データをメタ分析することにより、マグネシウム摂取と2型糖尿病のリスクとの関連を調べることを目的としている。
実験内容
アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアにおいて行われた536,318人の参加者と24,516人の症例を含む研究結果をメタ分析。フォローアップの平均期間は4年から20年の範囲。
結果
マグネシウム摂取グループは、マグネシウムを摂取していないグループと比較して2型糖尿病にかかるリスクが22%減少することが分かった。
また、過体重(BMI≥25kg/m2)の人においてより減少傾向が高いことが分かった。
マグネシウム摂取はインスリン抵抗性になりやすい肥満の人のインスリン感受性の改善に大きな影響を与える可能性があることを示唆している。
マグネシウム摂取の増加は、糖尿病の予防に効果があり、特にリスクの高い人に大きな改善をもたらす可能性があることが分かった。
糖尿病とは糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモン・インスリンが十分に機能しないために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っており、インスリンが機能せず血糖の濃度([…]
「マグネシウム摂取と糖尿病及びインスリン抵抗性の発生率の関連性」研究論文Diabetes Journal -2010年12月[blogcard url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/art[…]
「マグネシウム摂取量増加は、中年アメリカ人のグルコースおよびインスリン代謝不全を改善し、糖尿病リスクを低下させる」研究論文Diabetes Journal -2014年2月[blogcard url=https://www.[…]
「食事によるマグネシウム摂取と心血管疾患、2型糖尿病、全死因のリスク:コホート研究とそのメタ分析」研究論文BioMed Central Medicine-2016年12月[blogcard url=https://bmcme[…]
著者について
早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。