1. そもそもマグネシウムって何?
マグネシウムは、体の中でつくりだせない重要なミネラルの一つですが、日本人はカルシウムのことは知っていてもマグネシウムについて深く知っている人はあまり多くありません。
マグネシウムは体内の600以上といわれる酵素反応に関わっており、不足することで様々な症状に現れます。
特に、脳・心臓・筋肉に重要なミネラルで、不足すると偏頭痛、心筋梗塞、高血圧、慢性筋肉痛などにつながりやすい栄養素であることが分かっています。
マグネシウムについて詳しく説明したページもご覧ください。
マグネシウムマグネシウムは、エネルギーを産生・貯蔵・利用する働きがあり、ミトコンドリアには欠かせない重要なミネラルの一つです。特に、脳・心臓・筋肉に重要なミネラルで、不足すると偏頭痛、心筋梗塞、高血圧、慢性筋肉痛などにつながりや[…]
2. どうしてマグネシウムは必要なの?
マグネシウムの最も重要な機能の一つは、人体を構成する何兆もの細胞内でのエネルギー生成に関わっていることです。
他にも、以下を含む600種類以上の酵素反応に関わっているマグネシウムは、体内で最も重要なミネラルとも言えます。
マグネシウムが関わる酵素システム※
1 | タンパク質合成 |
2 | 筋収縮 |
3 | 神経機能 |
4 | 血糖コントロール |
5 | ホルモン受容体結合 |
6 | 血圧調節 |
7 | 心興奮性 |
8 | 細胞膜を通過するイオンのコントロール |
9 | カルシウムチャネルの開閉 |
マグネシウムの重要性や働きについて詳しく説明したページもご覧ください。
マグネシウムの重要性・効果・効能マグネシウムは体内で最も重要なミネラルと言えます。なぜならば、マグネシウムは体内の600以上の酵素の補因子または活性化因子として働き、カルシウム、カリウム、ナトリウムといったミネラルの細胞への出し[…]
3. マグネシウムが不足するとどうなるの?
マグネシウムが欠乏し始めると、以下のように様々な症状として現れます。現代の食生活では、ほとんどの人がマグネシウム不足になる傾向がありますので、ぜひ当てはまる症状がないかチェックしてみてください。
マグネシウム不足の早期兆候
頻繁に起こる瞼の痙攣
心身の疲労
首の後ろ、肩、背中にかけての張り
頭痛
月経前のむくみ、乳房の痛み など
マグネシウム不足が引き起こす可能性のある症状
筋肉の緊張、痙攣、攣り(つり)、こむら返り(腓返り)
不眠症
張り詰めたような緊張感
どきどきするような不安感
イライラ
発作(癇癪)
無気力
疲労
衰弱
精神障害
消化不良
月経前症候群(PMS)およびホルモンバランスの乱れ
歯ぎしり
臓器の石灰化
骨の弱体化
不整脈 など
マグネシウム欠乏の症状は糖尿病の症状と非常によく似ており、すべてではないにしても多くの心血管系疾患の根源となっています。糖尿病の人はそうでない人よりもマグネシウムをより多く必要とし、なおかつマグネシウムを多く失うのでより摂取を心がけてください。
マグネシウムが不足するとあらわれやすい症状や兆候について詳しく説明したページもご覧ください。
マグネシウムは、人間が生きていくために必要なミネラルです。しかし、人間は体内でマグネシウムを作り出すことができません。そのため、多くの人はマグネシウム不足に陥っています。 マグネシウム不足で生じるさまざまな症状マグ[…]
4. 意外に重要なマグネシウムとカルシウムの関係
ミネラルの中で、マグネシウムとカルシウムは人間にとって切っても切り離せない関係です。
生体年齢は、細胞内のマグネシウムとカルシウムの比率によって決まるとも言われています。
2:1
カルシウムとマグネシウムは常に拮抗して働き、その割合はカルシウム2:マグネシウム1がベストです。(1:1とも言われています。)しかしながら、マグネシウム摂取の不足、カルシウムの相対的な摂取過剰により、そのバランスが崩れることが様々な問題を引き起こすことが分かってきています。
カルシウムはどこに存在しているか
体にとって重要な栄養素であるカルシウムですが、実は常に細胞の中に存在している訳ではありません。
カルシウムは、マグネシウムにより細胞膜の内外への出し入れをコントロールされ、役目が終わるとすぐに細胞の外に排出されるのです。カルシウムが細胞内に留まると石灰化し、様々なトラブルを引き起こしてしまうからです。
Garry Gordon博士の論文より
「通常、細胞の外側には内側の1万倍の量のカルシウムがあるため、これが侵されると、細胞内のカルシウムが急激に増えてしまいます。この状態は、人が死ぬときに起きています。
細胞内カルシウムが上昇するたびに、マグネシウムの相対的な欠乏が起きるため、急病や慢性病の場合は、体をマグネシウム補給してあげることが、治療方法の一つでなければなりません。」
マグネシウムとカルシウムについて詳しく説明したページもご覧ください。
カルシウムとマグネシウムの比率(カルマグ比)ミネラルの中で、カルシウムとマグネシウムは人間にとって欠かせない要素です。生体年齢は、細胞内のマグネシウムとカルシウムの比率によって決まるとも言われています。2:1カルシウムと[…]
5. 1日に必要なマグネシウム摂取量はどのくらい?
厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」による日本人のマグネシウム摂取推奨量と、実際の摂取量です。(20歳~49歳)
摂取推奨量(mg) | 推定摂取量(mg) | 推奨量に対する不足量 | ||||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
2015 | 370 | 290 | 237〜249 | 201〜219 | 121〜133 | 71〜89 |
2016 | – | – | 222〜240 | 194〜210 | 130〜148 | 80〜96 |
2017 | – | – | 218〜239 | 190〜213 | 131〜152 | 77〜100 |
マグネシウムは、カルシウムと比較して研究が進んでおらず「孤立栄養素(Orphan Nutrient)」と呼ばれており、その重要性に対する国民の認知が遅れています。
上記のようにマグネシウム摂取量は推奨量に対し、男性で約38%、女性で約31%も不足しているのが実情です。
必要なマグネシウム量と実際の摂取量について詳しく説明したページもご覧ください。
日本人のマグネシウム摂取推奨量と、実際の摂取量厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」による日本人のマグネシウム摂取推奨量と、実際の摂取量です。(20歳~49歳)摂取推奨量(mg)推定摂取量(m[…]
6. マグネシウムをどうやって摂ればよい?
マグネシウムを摂取するには、下記のような選択肢が考えられます。
1. 食事
基本は食事から十分摂取することが理想的ですので、まずは食事からできるだけ摂取することを心がけてください。ただ、現代の食生活では十分なマグネシウムを摂取することは難しくなっています。なぜならば、マグネシウムは特に海藻類、豆類(種類)などに多く含まれますが、毎日の食生活で摂取する機会が減っているからです。
2. 静脈注射
静脈注射投与は効率的で効果が高く、2-3週間血中にマグネシウム濃度を保ちます。ただ注射を打つ際には苦痛を伴うことや、多額な費用もかかってしまうことなどから、実際に多くの人が常用することは現実的ではありません。
3. サプリメント
サプリメントによるマグネシウム補給は有効で現在一般的に行われていますが、注意も必要です。マグネシウムは、濃度の低い水溶性の状態で摂取しなければ体内にうまく吸収できないからです。マグネシウムは元来、下剤としての機能も果たすため、多くの人が下痢の副作用を起こしてしまいます。
4. 経皮吸収
近年、欧米で研究が盛んになり、一般的に普及しているのが経皮マグネシウム吸収。マグネシウムの経皮投与は、経口摂取よりも優れており、利用率や速度の上で静脈投与と同程度の効果が期待できると言われています。
マグネシウムを摂取する方法について詳しく説明したページもご覧ください。
マグネシウム不足の深刻化近年、マグネシウム不足の人が増えています。生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、メタボになるだけでなく、様々な体調不良、そして偏頭痛、心筋梗塞、高血圧、慢性筋肉痛などの原因になることが分か[…]
7. 「経皮マグネシウム」のおすすめアイテム
直接皮膚からマグネシウムを吸収させることで、こむら返り、肩こり、腰痛、偏頭痛などの痛みや症状を改善し、筋肉のダメージ回復などにつながることが研究結果として明らかになりつつあります。
国内でも、オーソモレキュラー医学会はマグネシウムの必要性を強く訴えており、緩下作用を生じることなく治療用量でマグネシウムを摂る方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
また、医療機関が患者のマグネシウム欠乏の治療の一環として経皮マグネシウムを用いたり、皮膚科医などがアトピー治療や乾癬治療、敏感肌治療の一環として、経皮吸収で肌のバリア機能を高めるため塩化マグネシウムを用い始めています。
経皮マグネシウム吸収のアイテムは日本ではまだ多くありませんが、3つのカテゴリーでスタッフがおすすめする商品を挙げます。
- マグネシウムクリームタイプ
- マグネシウムスプレータイプ
- マグネシウム入浴剤(バスソルト)タイプ
【2022レビュー】経皮吸収マグネシウムのおすすめアイテムについて詳しくはこちら
肌から摂取できるおすすめのマグネシウム製品を3つご紹介します!大手通販サイトや海外サイトなどで人気の高い経皮吸収タイプのマグネシウムアイテムを入手し、価格や使用感、効果など独自の基準を設けておすすめTOP3を選びました。マグネシウム情報を配[…]
著者について
早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。