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エコノミークラス症候群にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

【はじめに】

主要ミネラルの一つであるマグネシウムと微量元素は生命活動において重要であり必要不可欠な成分です。

近年では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。

そして、2016年熊本地震の際などに車中泊など狭い場所で避難生活を送る被災者に急性肺血栓塞栓症が発症することが報告され、いわゆる「エコノミークラス症候群」という名前が現在では広く定着しています1)。

「エコノミークラス症候群」とは、足や下半身などにできた血液のかたまりである血栓が、血流に乗って肺の血管につまり、胸痛・呼吸困難・循環不全などをきたす病気を総称して呼んでいます。

この呼び名は、飛行機などの座席で長時間じっとしていて急に立ち上がったときなどに発生しやすいことから由来しております。

ただし、飛行機に限らずたとえば自家用車のなかで寝泊まりしている場合などでも、足に血栓ができやすく、本疾患を発症しやすくなると伝えられています。

この病気は放置して重症になると命に直結してかかわることがあるため、まずは病気を正しく理解することが重要です。

今回は、エコノミークラス症候群にならないためにマグネシウムのサプリメントを摂取する重要性などについて説明します。

【第1章】エコノミークラス症候群になる原因とは?

さて、ここではエコノミークラス症候群を発症する原因について説明していきます。

もし飛行機のエコノミークラスに搭乗すると、長時間にわたり狭い場所で座ったままの状態が続くことになります。

長い時間をかけて足を動かすことがないために足の血液の流れが悪くなることによって、足の静脈のなかに血栓と呼ばれる血の塊ができやすくなります。

足にできた血栓は歩行動作などを契機にして、突如として血液の流れに乗って肺まで到達することがあります。

そして、肺に到達した血栓が肺の血管を塞いでしまうと、胸の痛みや息切れなどの症状が現れるようになります。

エコノミークラス症候群は、飛行機のエコノミークラスへの搭乗によってのみ起こるわけではありません。

仮に狭いところで座ったままで長時間過ごして足を動かすことが少なければ、どこでも発生する可能性があるといっても過言ではありません。

このため、長時間にわたる車の運転や車中泊、さらに災害時の避難所への滞在やデスクワーク中でも十分にエコノミークラス症候群を予防することについて認識する必要があります。

エコノミークラス症候群とは、実は正式な病気の名称ではありません。

医学界では、エコノミークラス症候群の本態である深部静脈血栓症と急性肺血栓塞栓症は一連の病気として静脈血栓症と総称されています。

一般的に世間ではエコノミークラス症候群を静脈血栓症の通称として用いられている場合も多く、イメージがわきやすいので通称としてエコノミークラス症候群と呼ばれています。

通常、生体内において静脈(心臓に戻る血液が通る血管)の血流が悪くなって血液がよどむと、静脈の血管内に血栓ができて停滞することになります。

この血栓が、なんらかのきっかけによって血管壁から外れて、静脈を通って心臓に戻ると、肺動脈(心臓から肺へ向かう血管)につまることがあります。

両足に血栓ができやすい状況としては飛行機のなかで長時間座っている以外にも、お腹のなかに巨大な腫瘍(卵巣嚢腫、子宮筋腫など)がある場合も考えられます。

また、出産後である、そして足の筋肉が弱くなることで血流が悪くなるなどが本疾患の原因として挙げられます。

【第2章】エコノミークラス症候群にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

第一に、エコノミークラス症候群を予防するためには疾患原因となる血栓そのものができないように意識する必要があります。

例えば、常日頃から運動する習慣をもつ、また長時間座りっぱなしの時にはこまめに足首や膝の運動を行って脚の血流をスムーズに保つ、あるいは脱水状態にならないように水分をとる等の予防策を日常的にとることはとても重要な視点となります。

日頃からお酒やコーヒーばかり飲んでいると、体内の水分を排出する効果があるために脱水になってしまう可能性があり血栓を作りやすくしてしまうので、できるだけお酒やコーヒーではなく水を飲むように心がけてくださいね。

また、マグネシウムは補酵素、あるいは活性中心型物質として生体内において300種類以上の酵素の働きを助けています。

特にマグネシウムは、エネルギー産生機構にも深く関わっており、栄養素の合成・分解過程の他にも血小板の凝集を抑えて血栓を作りにくくしたりする作用効果もあると言われています。

生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、様々な体調不良を引き起こし、脳卒中やエコノミークラス症候群などの血栓症を罹患する可能性が考えられます。

2014年にオランダとフランスの合同チームの研究者らが、マグネシウムの摂取量と血栓塞栓症の代表例である脳卒中リスクに関する報告によると、マグネシウム摂取量が脳卒中リスクの低下と関連していると提唱しました2)。

一般的に、マグネシウムは食品類の中では大豆製品や海藻、ナッツ類、そしてゴマ類に多く含まれています。

特に海藻類や大豆製品などは、生体にとって重要なミネラルやビタミンの宝庫と言われており、ひじきや昆布はマグネシウムを豊富に含んでいます。

そして最近では、食物のみならず普段からサプリメントを摂取する重要性は徐々に周知されてきました。

これまでも日々の生活の中でサプリメントを摂取する重要性については触れており、成人に関してはマグネシウム成分を大体350 mg/日程度摂取することが推奨されています。

エコノミークラス症候群を発症しないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると言えますね。

【まとめ(おわりに)】

エコノミークラス症候群とは、長時間にわたる飛行機への搭乗などによって足の血流が悪くなり、足の静脈のなかに血栓(血の塊)ができることによって、さまざまな症状が現れる病気を意味しています。

この疾患における特徴的な症状は、突然の胸の痛み、呼吸困難や息切れ、咳や血痰です。

重症の場合には、意識障害が起きたり、ショック状態となったりする恐れがあるとされており、放置すれば命にかかわることがあります。

この病気の背景に存在する「静脈血栓塞栓症」においては、その予防や早期発見が非常に大切な要素です。

そんな中で、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれている栄養素の中でも、特に現代人において心身の健康のために欠かせない代表格であり血栓抑制効果が一定程度存在すると言われているのが、「マグネシウム」です。

マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。

したがって、日々の食事内容もさることながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウムの日常的な摂取方法を工夫することによってエコノミークラス症候群にならないように有意義な生活を送りましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 小板橋 紀通:直接経口抗凝固薬(DOAC)時代の静脈血栓塞栓症診療と超音波検査. 超音波検査技術. 2020 45 6 p. 595-601

DOI https://doi.org/10.11272/jss.r515

2)Sluijs I, Czernichow S, Beulens JW, Boer JM, van der Schouw YT, Verschuren WM, Grobbee DE. Intakes of potassium, magnesium, and calcium and risk of stroke. Stroke 45:1148-1150, 2014

DOI http://stroke.ahajournals.org/content/45/4/1148.long

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。