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房室ブロックを予防するのに今マグネシウムが注目されている?

【はじめに】

「不整脈」とは心臓の脈拍が正常とは異なるタイミングで起きる状態であり、その種類や症状は千差万別であり、不整脈の中には、緊急性はなく放置しても問題のないタイプがある一方で、命に直結する不整脈も存在します。

房室ブロックという不整脈のタイプは、心臓の電気活動が阻害されている徐脈性不整脈のひとつであり、心房と心室間の電気信号を介した情報伝達が正常に機能していない状態を意味しています。

そして、マグネシウムは体内に多く含まれているミネラルの一種であり、身体の中で補酵素や活性型物質として概ね300種類以上の酵素の働きを補助する役割を有しています。

一般的に、マグネシウム欠乏症が悪化すると、痺れ、刺痛、筋収縮、筋痙攣、発作痙攣、人格変化、房室ブロックを含む不整脈、冠状動脈攣縮などを生じる可能性があると指摘されています1)。

一方では、近年において効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。

今回は、房室ブロックを起こさないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。

【第1章】房室ブロックになる原因とは?

一般的に、心臓には電気信号が通る道が網の目のように張りめぐらされており、特定のところで発生した電気信号の興奮が心臓全体に伝わることでその領域の心筋が収縮するように構成されていますが、房室ブロックはその心臓の電気活動が阻害されている病気です。

房室ブロックを引き起こす原因として、心臓の電気刺激を伝える肝心の電線部位が線維化という変化を起こす、あるいは心筋梗塞に合併して発症するという二つの要素で主な原因の9割以上を占めると言われています。

それ以外にも、薬物の副作用で引き起こされる薬剤性のタイプ、副交感神経の活性化を中心とした自律神経系の調節異常、生まれつきの先天性心疾患、難病のアミロイドーシスやサルコイドーシスといった疾患に関連して本疾患が発症することも十分にあります。

【第2章】房室ブロックにならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

房室ブロックのなかには重症度に応じてI度からIII度まで分類することが可能であり、全く症状を認めることなく治療介入の必要がないタイプもあれば、めまいや失神を呈して治療を要する種類も存在します。

例えば、I度房室ブロックでは、心房から心室への電気伝導が健常時よりも遅くなりますが、実際の心室の心拍数は減少しませんが、II度以上になると心拍数が遅くなり、脈が飛ぶことがありますので息切れやめまいなどの症状を自覚することも考えられます。

万が一、意識消失など強い症状を認めることもある徐脈性不整脈である房室ブロックを認めた際には、ペースメーカーを始めとする医療専用デバイスを用いた治療が考慮されることになります。

病状の重症度が上がるにつれて心拍が遅くなり、最悪の場合には心停止に繋がってしまうことも懸念されますので本疾患を予防することは重要な観点となります。

そして、以前の文献では低マグネシウム血症という状態は不整脈発症のリスクファクターであると指摘されています2)。

マグネシウムはカリウムなどと同様に頻脈や血管攣縮を防ぐために大事なミネラルであり、特に木綿豆腐など大豆食品に多く含まれている以外にも、海苔、海藻、貝類などの海産物にも多く含有されています。

必須・主要ミネラルであるマグネシウムは身体に必要不可欠な栄養素なので、毎日の食事やサプリメントなどの栄養機能食品から充分に摂取しても悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。

昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法が一般的にも広く普及しています。

また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。

これらのことからも、房室ブロックにならないためにも普段から最低限のマグネシウムを摂取することが重要であると考えられ、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると言えますね。

【まとめ(おわりに)】

不整脈の中でも脈拍数が1分間あたりに50以下の場合を徐脈性不整脈、100以上の場合には頻脈性不整脈と呼びますが、房室ブロックの場合には通常脈拍数が1分間に40以下になると徐脈に伴って息切れ、めまいなどの症状が出やすくなることが知られています。

昨今の医療技術進歩によりほとんどの不整脈疾患が治癒可能な時代になっていますので、自分たちの生活の質を低下させず、かつ突然死などを回避するためにも不整脈の種類や重症度を評価して適切な治療に結び付けることが重要な観点となります。

いずれの治療にしても不整脈治療は専門的な知識を必要とするケースが多く、仮に房室ブロックの兆候が疑われた際には、循環器内科などの専門医療機関を受診されることをお勧めします。

そのような背景がある中で、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない要素の代表格が、「マグネシウム」であると言われています。

マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけましょう。

今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって房室ブロックを引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. Rude RK. Magnesium. In: Coates PM, Betz JM, Blackman MR, Cragg GM, Levine M, Moss J, White JD, eds. Encyclopedia of Dietary Supplements. 2nd ed. New York, NY: Informa Healthcare; 2010:527-37.

DOI https://pdfcoffee.com/encyclopedia-of-dietary-supplements-2nd-editionpdf-5-pdf-free.html

2)高橋 伸二:周術期によく遭遇する不整脈と抗不整脈薬の使い方 (3)頻脈  ①narrow QRSの頻脈. 日本臨床麻酔学会誌. 2012 32 4 .p590-596.

DOI https://doi.org/10.2199/jjsca.32.590

著者について

■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。