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マグネシウム不足はアトピーの一因!かゆみにはクリームが効果的な理由とは?

皮膚の炎症とつらいかゆみが特徴のアトピー性皮膚炎。アトピー性皮膚炎の詳しいメカニズムはまだ解明されていません。しかし、アトピーとマグネシウム不足に関連があるということはわかっています。今回は、マグネシウム不足からアトピーの炎症やかゆみが引き起こされるメカニズムを解説します。そしてアトピーの改善が期待できる、マグネシウムクリームについてもご紹介します。

アトピーの炎症とかゆみの一因は、マグネシウム不足

いくつかの実験によって、マグネシウム不足がアトピー特有の「皮膚の炎症」そして「かゆみ」を引き起こすことがわかってきています。

マグネシウム不足がアトピーにつながるメカニズムはこうです。

まず、皮膚にある「肥満細胞」のマグネシウムが不足します。すると、肥満細胞から「ヒスタミン」が放出されます。「ヒスタミン」とは、アレルギー反応を引き起こす物質です。ヒスタミンの放出によって、皮膚のかゆみが生じるのです。

一度かゆみが生じると、そこから悪循環が始まり、アトピーが重症化していきます。皮膚がかゆくなる→かいてしまう→皮膚のバリア機能が低下する→少しの刺激で炎症が起きる→かゆくなる…といった悪循環です。

このメカニズムから、皮膚の細胞のマグネシウムが不足すると、アトピー性皮膚炎が引き起こされることがわかります。実は、体内のマグネシウム量は十分なのに、皮膚レベルでは微量にマグネシウムが不足していることが多いです。その理由について、次章で解説していきます。

皮膚レベルでのマグネシウムは不足しやすい!

内のマグネシウム量は十分でも、皮膚レベルではマグネシウムが不足しているということはよくあることです。なぜなら、皮膚のマグネシウムは失われやすい仕組みだからです。

皮膚のマグネシウムが失われる仕組みはこうです。まず何らかの原因で、血液中のマグネシウムが不足したとします。すると、血液の不足したマグネシウムを補うために、皮膚にあったマグネシウムが血液に送られます。このように、血液中のマグネシウム量が優先されるために、皮膚のマグネシウムは不足しやすいのです。

また、外的な刺激によっても肌の表面のマグネシウムは失われることもわかっています。ある実験で、肌にセロテープを貼っては剥がすことを何回も繰り返しました。すると肌の表面に表皮上層にあったマグネシウム成分が消失したのです。

皮膚のマグネシウム不足を、サプリメントなどの経口摂取で補うことは難しいことがわかっています。なぜなら、血液中に十分な量のマグネシウムがあると、(皮膚で不足していたとしても)、すみやかに尿中へ排泄されてしまうからです。

このように、皮膚のマグネシウムは失われやすく補いづらいのです。

皮膚レベルのマグネシウム不足を解消する方法

アトピーを改善するためにマグネシウムを取り入れたいなら、肌から直接取り入れることがおすすめです。最近では、肌への刺激が少なく塗り込みやすい、クリームタイプのマグネシウムも販売されています。

経皮吸収がおすすめな理由は、サプリメントとは異なり、狙った箇所に効果的にマグネシウムを届けることができるからです。

最近の研究で、皮膚のバリア機能を回復させるためには、マグネシウムやカルシウムなどの電解質イオンのバランスが重要であることが、明らかになってきました。

また、大手化粧品会社の発表によると、実験的に作った乾燥肌の皮膚のバリア機能の回復を、塩化マグネシウムと塩化カルシウムが促進したというのです。

中度〜重度のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、ビタミンCを含むマグネシウムクリームを処方した結果、かゆみが軽快したという人が多く認められたこともあります。

このように、マグネシウム不足を解消することで、かゆみを抑えることと、肌のバリア機能の回復も期待できるのです。そして、皮膚レベルのマグネシウム不足を解消するためには、マグネシウムクリームなどの経皮吸収できるアイテムが効果的です。

マグネシウムを経皮摂取できるアイテムは、こちらで紹介しています。

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経皮マグネシウム

マグネシウムクリームでアトピーを改善できるかも

この記事では、マグネシウムとアトピーの関係についてご説明してきました。

アトピーや乾燥肌・敏感肌への基本的な対策は、保湿を中心としたスキンケアです。まずは、敏感になった皮膚を保護するために、化粧水やワセリンを使用して保湿をするようにしましょう。その上で、マグネシウムクリームなどを取り入れてみてください

引用文献

1)花田勝美ら:ヘアレスラットにおけるマグネシウム欠乏性皮膚炎の組織学的観察.日本皮膚科学会雑誌.1988年.98巻8号.p797.
2)田村耕成ら:長期にわたる長時間の入浴により偽性 Bartter 症候群および偽性副甲状腺機能低下症を生じたアトピー性皮膚炎の一例. 日本温泉気候物理医学会雑誌. 2002 年 65 巻 4 号 p. 194-198.

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。